2022/11/13 19:00

すっかり日が短くなりましたね。秋も深まり、街路樹の葉が黄色から赤へと鮮やかに色づく紅葉が綺麗な季節となりました。冬の到来を告げる木枯らしが吹き始め、そろそろ冬至がやってくる、そんな気持ちになりまね。今年の冬至は12月22日です。冬至といえば、柚子湯。柚子の爽やかな香りに包まれて、ゆっくりと身体を温めたいですね。それでは、なぜ冬至に柚子湯に入るのでしょう?知っているようで意外と知らない方も多いのではないでしょうか?

冬至の日はどうして柚子湯に入るの?

冬至は1年で最も昼が短い日となります。太陽の力が一番弱まる日であり、この日を境に太陽が生まれ変わる日ととらえ、古くから世界各地で冬至の祝祭が盛大に行われてきたそうです。冬至は別名「一陽来復(いちようらいふく)」と言って、陰が極まり再び陽にかえる、つまり、この日を境に運が向いてくると考えられてきました。そして、運を呼び込む前に、香りの強い柚子を入れたお風呂に浸かり、身を清めるための禊(みそぎ)を行う風習が定着しました。なぜなら、香りの強いもとには邪気がおこらないという考えがあったからです。また、柚子は実るまで長い年月がかかります。長年の苦労が実りますようにとの願いも込められているそうです。
冬至の日に柚子湯に入ると風邪をひかないと言われてきましたね。柚子湯には血行を促し、身体の芯から温める効果があることからだそうです。私も子供の頃からそう親から言われ、冬至の日には必ず柚子湯に入っていました。私の家の場合、柚子を半分もしくは四等分に切り、それを手拭いに包み、そのままお風呂の湯に入れていました。今考えると、なぜ、果肉や果汁だけでなく、皮や種も一緒に湯に入れていたのか?柚子の効能を調べるとなるほど!と納得します。

柚子の効能

柚子には、ビタミンCをはじめ、ミネラル類や有機酸、リモネン、β-カロテン、ヘスペリジン、ペクチンなど様々な有効成分が実のあらゆる部分に豊富に含まれています。
果汁にはカリウムが多く含まれています。カリウムは高血圧の予防効果が期待されています。また、果皮には、果汁の4倍のビタミンCが含まれています。ビタミンCは、肌のシミやしわの予防、免疫力アップに欠かせない栄養素ですね。そして、柚子の種には、ビタミンCよりも強いメラニン抑制作用があります。美肌美白効果が期待できるそうです。
柚子の香りにはリラック効果や集中力向上などの精神的効果があり、疲労回復や安眠などの身体への作用も期待できるようです。
柚子は、“捨てるところがない”柑橘類と言われているのも頷けますね。

柚子の花言葉

柚子の収穫時期は、10月〜12月ですが、初夏に白い小さな花が開花します。柚子の花には、「健康美」、「汚れなき人」、「幸福」といった幸福で清々しいニュアンスの花言葉がつけられています。柚子の花は、「縁起の良い花」と知られているそうです。今年の冬至には、太陽の恵をたっぷりと浴びた「幸福」の柚子を入れた柚子湯に入って、身を清め、心と身体の健康を願いつつ、リラックスして、一年で一番短い日の長い夜をゆっくりと過ごしたいですね。